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官報で自己破産の名前検索できる?破産者マップを閲覧自己破産者検索サイトとは?

官報で自己破産者の名前検索はできる?

 

この記事の監修者

大沼洋一法律事務所 大沼洋一弁護士

弁護士 大沼 洋一
宮城県仙台市にある大沼洋一法律事務所で代表弁護士を務める。多様なキャリアを歩んでおり、数多くの実績を持つ。弁護士としては、粉飾決算の集団訴訟、個人情報漏洩の集団訴訟、医療過誤訴訟、土地取引、相続、債務整理などに関する様々な訴訟を担当。

自己破産をして官報に住所や名前を掲載され、検索をされてしまうことに対して不安に思う方は多いのではないでしょうか。
 
「官報に名前が掲載されてしまったら、家族や友達や会社に自己破産をしたことがバレてしまうかもしれない・・・」「何年くらい官報に名前が残るのだろう」など、自己破産がバレることを心配するのも無理はありません。
 
自己破産をすると、官報という国が発行する新聞のような紙面に、名前や住所など破産者の個人情報が載ってしまうというデメリットがあります。しかし、通常官報に名前が載ったことで自己破産が周囲にバレることはまずありません
 
この記事では、そもそも官報とはどんなものなのかを解説したうえで、官報が原因で自己破産が周囲に知られてしまう可能性が低い理由を、わかりやすく解説していきます。
 
官報情報検索サービスを使った自己破産者の名前検索の方法や、インターネットで名前検索をすることで自己破産者の情報を調べることはできるのかなど、官報について気になるポイントも解説していますので、この記事を参考に、官報から自己破産がバレることへの不安を解消してください。

官報で自己破産の名前検索はできる?名前の一覧見れる?

官報で自己破産者の名前検索はできる?官報を利用することで、自己破産の名前検索をすることは以下の4つの方法でできますが、インターネットで名前を検索しただけでは、自己破産した方の破産に関する情報は出てきません。

  1. 官報販売所で官報を購入する
  2. 図書館で紙面の官報を閲覧する
  3. インターネット官報で検索する
  4. 図書館の官報情報検索サービスを使う

たとえば、自己破産する前になにか別の事件を起こしてしまい、そちらの事件でニュースになっているような場合は別ですが、スマホ検索で簡単に破産者の情報が出てきてしまうようでは、個人情報保護の観点から問題があるのです。
 
ここでは、上記3つについて自己破産者の名前検索の方法について、詳しく解説していきます。

官報販売所で官報を購入する

1番オーソドックスな方法としては、全国にある官報販売所で官報を購入し、官報の公告欄で、直接破産者名を確認することでしょう。
 
しかし、官報販売所では直接紙面の官報を購入することになるため、ネット検索の利用には使えません。
 
また、紙面の官報は官報販売所のみでしか購入することはできず、官報販売所の数は各都道府県に一ヶ所しかありません。
 
悪意やその人に何かしらの恨みを持っていた場合には別ですが、特別な目的なく官報を購入することはほとんどないはずなので、官報を直接購入した者から破産者の情報が漏れることは、ほとんどないといえるでしょう。
 
また、いわゆる闇金にあたるような金融業者は、官報に掲載された自己破産者の名前や住所から、お金に困っている破産者に対し、「他社では借りられないけどうちならお金借りられますよ」などと甘い言葉を使い、違法な利息で金銭を貸し付けてきようとしてくることもあります。
 
紙ベースの官報から周囲に破産の情報がバレることはほとんどありませんが、少なくとも個人情報は掲載されますし、場合によっては闇金業者などに悪用されてしまう可能性があることも頭に入れておきましょう。
 
悪用されてしまった場合にはすぐに弁護士に相談するようにしてください。

図書館で紙面の官報を閲覧の仕方、調べ方

図書館で保管している紙ベースの官報を確認する方法もあります。
 
しかし、官報は全国全ての図書館で保管してあるわけではなく、都道府県によっては1箇所でしか保管していなかったり、大学図書館などを利用しないといけない場合もあります。
 
すでに解説した通り、紙ベースの官報の保管期限や保管方法は各図書館によりまちまちで、どの年代まで遡って確認できるかは図書館に確認してみないとわかりません。
 
ただし、官報を保管している図書館であれば、基本的に創刊されてから現在に至るまですベての官報を閲覧することができることが多いようです。
 
なお、図書館に保管される官報は通常発行後2〜3日後から閲覧ができるようになることが多いため、最新版のものをリアルタイムで確認することはできません。
 
また、通常の図書コーナーに置いてあることもあれば、バックヤードに保管してあるようなこともあるようなので、詳細は各図書館の司書に、官報の閲覧方法、調べ方を確認してみてください。

インターネット官報で自己破産者を無料で検索する

紙媒体ではなく、インターネット官報を利用して自己破産者の個人情報を無料で調べることも可能です。
 
官報に掲載されている自己破産者の検索方法として、インターネット官報を利用すれば、登録等わずらわしい手続きをすることなく、誰でも簡単に直近30日分の自己破産者の情報を閲覧することが可能です。
 
もちろん、スマホからでも簡単にアクセスできるため、最新の官報であれば、一番手軽に確認することができるでしょう。
 
ここで、官報をインターネットで見ることができるのであれば、YahooやGoogleなどの検索エンジンで名前を検索してしまえばすぐにヒットしてしまうのではないかと、不安になる方も多いかと思います。
 
しかし、インターネット官報はPDFデータ化されているため、たとえ検索エンジンから名前を検索したとしても、検索にひっかかることはありません。
 
もちろん、官報のPDFデータを開き、その中で名前検索をすることはできるので、紙媒体の官報よりは特定の個人名を検索しやすいかもしれませんが、どちらにせよ検索にはわざわざインターネット官報のPDFを開いたうえで検索をかける必要があるため、インターネット検索で破産者情報がたまたまバレてしまうようなことはないといえるでしょう。

官報情報検索サービス

インターネットを使って自己破産者情報を調べる方法としては、官報情報検索サービスを使う方法があります。
 
官報情報検索サービスへのアクセスは全国の図書館からのみ可能で、図書館司書がパスワード等を入力してloginする必要があります。
 
そのため、インターネット官報のように誰でも気軽にアクセスできるわけではありません。
 
また、図書館によっては図書館の開館時間のほかに利用時間が設定されていることがあるため、利用する図書館の詳細情報を事前に確認しておく必要があります。
 
この官報情報検索サービスを利用して検索すれば、自己破産者の氏名や住所、自己破産した年月日を入力することで、ピンポイントで破産者の個人情報を検索することが可能です。
 
しかし、「破産」「破産者」「免責」「免責不許可」など、検索に使用するキーワードで検索結果が変わる可能性があるため、破産者の調べ方として、検索の際に破産者の名前だけを入力しても検索に引っかからない可能性があるのです。
 
つまり、正確に破産者の情報を調べるためには、ある程度官報掲載日を絞り、住所まで入力して検索する必要があるということです。
 
そうなると、破産者の住所や自己破産した日などの情報ある程度知っておかないと、官報情報検索サービスを利用して検索することはできないということになります。
 
わざわざ図書館まで行って破産者の情報を調べる人がそもそもほとんどいないため、紙媒体の官報の場合と同様に、官報情報検索サービスから自己破産したことがバレてしまう可能性は非常に低いといえるでしょう。

破産者マップを閲覧できる?自己破産者検索サイトとは?

破産者マップとは?破産者マップとは、官報に掲載された自己破産者名簿をデータベース化し、それをWeb上で無料で公開することで、破産者の名前を検索できるようにしたサイトのことを指し「自己破産者検索サイト」などと呼ばれています。
 
自己破産者の破産情報がGoogleマップ上に表示された住所をクリックすると確認・閲覧できます。
 
後継サイトである「新破産者マップ」もそうですが、このサイトは個人情報を悪用していることに加え、掲載情報の削除を依頼する場合には金銭を要求するなど、かなり悪質な手法でサイトを運営していました。
 
破産者マップに情報が掲載されてしまうと、自己破産者の氏名や住所などの破産に関する情報がインターネット上で検索できるようになってしまうため、非常に危険な状況となってしまいます。
 
破産者マップは政府の個人情報保護委員会からの行政指導もあり、個人情報の侵害を理由に削除され、その後、裁判にも発展しています。ニュースで話題になったこともあるため、耳にしたことがある方も多いかもしれません。
 
似たような類似サイトもいくつか存在していますが、そのたびに個人情報保護委員会からサイトの運営者に対し、停止命令が出されているようです。
 
現在、破産者マップの運営者は損害賠償の裁判を起こされており、後継サイトである新破産者マップの運営者には刑事告発したことが、個人情報保護委員会から発表されている状況です。

プライバシー権への侵害や社会的評価を低下させることによる名誉毀損的行為だという声も多く上がるような悪質なサイトであることは間違いありません。
 
もしも、破産者マップの後継サイトのようなものに自分の名前が掲載されてしまっていたら、すぐに弁護士に相談するようにしましょう。

破産者マップを閲覧したい?

前述の破産者マップ事件があり、破産者マップは閉鎖されましたが、現状、「新・破産者マップ」が新たに公開されています。
 
サイト上では、海外で運営しているため、日本の法律では削除できない旨の記載がされていますが、現時点でサイト閉鎖にはなっておりません。
 
当サイトでは、プライバシー権や名誉権の侵害に当たると考えるため、「新・破産者マップ」のURLは表示しないこととしています。

破産者名簿とは?閲覧できる?

破産者名簿とは、官報に掲載される破産者一覧のことではなく、本籍地における市区町村の役所にて作成・保管される、自己破産者の名簿・リストのことを指します。
 
破産者名簿は、自治体が税金関係の督促を行うときに参考にしたり、身分証明書を発行したりする際に利用する資料になります。
 
自己破産をしていると就くことができない制限のある職業に就く場合に、「破産者でないという身分証明書」を発行してもらうために作成・使用されているのです。
 
破産者名簿には、官報に掲載される破産に関する情報はすべて掲載されることになりますが、完全に非公開です。
 
誰でも気軽に閲覧できる資料ではなく、役所のなかでも限られた人間しか閲覧できない特殊な資料になるため、破産者名簿から周囲の人に破産したことがバレる可能性はほとんどありえないと考えていただいて大丈夫でしょう。
 
また、破産者名簿には、破産手続に関わったすべての人の情報が掲載されるわけではなく、「破産手続開始決定が出たものの、免責を受けられなかった破産者」の情報のみが掲載されることになります。
 
つまり、破産後認められず、借金が残ってしまった方のみ掲載されることになるのです。
 
このように、そもそも自己破産の許可を得た破産者の情報は掲載されることはないため、破産者名簿については、とくに気にしないでもらって大丈夫かと思います。

官報とは?

官報とは、内閣府が発行し、国立印刷局が提供している国の機関紙のことを指します。
 
1883年に創刊された歴史のある紙面で、国のあらゆる情報を広く国民に知らせる役割を持つ、国と国民を結びつける重要な役割を担っている紙面になります。
 
国が発行する新聞のようなものと考えてもらうとイメージしやすいかもしれません。
 
現在、以下4種類の官報が発行されています。

4つの官報の種類
  1. 毎月発行される本紙
  2. その都度発行される号外(号外の「公告」という部分に自己破産者の個人情報が掲載されます。)
  3. 適宜発行される政府調達公告版
  4. 毎月1回発行される目録

 
このように、官報はその報告する情報によりさまざまな種類のものが発売されており、毎日なにかしらの官報が発売されているような状況です。

官報には何が掲載されてるの?

官報には国のあらゆる情報が掲載されますが、おもな掲載内容は以下のようなものになります。

●法律・政令などの制定や改正に関する情報
●自己破産者の情報や相続に関する裁判の内容など、国民の権利や義務に深く関わる事項
●国会の議案関係や議事に関する日程、ある程度高い位置の役職の人事異動、皇室にまつわる報告事項、各省庁が国民に対して発信したい報告事項、閣議決定の資料などの、国からの広報的な事項

 
ほかにも、会社の決算や合併に関する情報、政府機関関係や地方公共団体の動きなど、国に関するありとあらゆる情報が掲載されています。
 
法律や政令などの制定や改正に関する情報では、法律の専門家ではない一般国民に対してもわかりやすいように、要約や解説がなされています。
 
このように、官報は国民にとって重要なさまざまな情報を提供する国の新聞であり、国民と政府をつなぐ重要な書面であるといえるのです。

官報の役割について

  
官報の役割は、私たち国民に必要な情報や、国民の権利義務に関する重要な情報を伝えるところにあります。

官報の役割は大きく3つ
  1. 法令の公布の役割
  2. 決算公告などの公広告役割
  3. 国事行為などの国の広報的事項に関する役割

自己破産者の個人情報(名前一覧)が掲載されるのは、2つ目の「決算公告などの公広告役割」の部分にあたります。
 
それでは、なぜ自己破産者の情報を官報に掲載し、国民に知らせる必要があるのでしょうか?
 
お金を貸している業者にとって、貸している顧客が自己破産をしてしまうと、自己破産の効果によりお金の返還請求をできなくなってしまいます。
 
そうすると、貸金業者は利息を得ることができないだけでなく、元金すらも請求できなくなってしまう可能性があるため、会社にとって多大な不利益をもたらす可能性があるだけでなく、そうした債務者が増えてしまうと、最悪の場合、会社としても倒産せざるを得ない状況に陥ってしまう可能性もあるでしょう。
 
この点、もし事前に破産することがわかっているのであれば、業者側も支払い能力がない人に対してお金を貸すことはなくなります。つまり、最終的に貸したお金を回収できず、会社に不利益になるようなリスクを避けることができるのです。
 
また、破産手続きを開始したタイミングでも官報に情報が掲載されるため、金融業者としては、債務者がこれから破産をしようとしているかどうかの事実を事前に知ることができます。
 
そのため、債権者は債務者に対して然るべき手続きを行い、損害を抑える対応をすることが可能となるでしょう。
 
つまり、自己破産をすると、その人の周囲にさまざまな影響が出てしまう可能性があるため、破産に関する情報を国からの報告という形で掲載する必要があるといえるのです。

官報の入手方法!どこで購入できる?

官報はコンビニなどで売っているわけではないので、見たことすらない人が大半でしょう。
 
官報のおもな入手方法は、紙面の官報の場合とインターネットで閲覧する方法の場合で異なります。

紙面版
インターネット版
・官報販売所で購入する
→原則、各都道府県に1箇所のみ
 
・県立・市立図書館、大学図書館などでも閲覧可能
→官報発行から2〜3日後から閲覧ができるようになる
 
・官報販売サイトからも入手可能
参照:官報販売
→バックナンバーも購入可能
・インターネット官報にて、直近30日間の官報情報(本紙、号外、政府調達等)は、全て無料で閲覧できる。
 
・30日より前の過去の自己破産情報は見れない。
 
※破産者の情報を全て検索・閲覧できる非公式なサイトも存在していますが、官報以外で、破産者を勝手にデータベース化するのは違法になる可能性もあるため、サイトの利用は避けるようにしましょう

このように、官報は紙媒体だけでなく、インターネットでも閲覧することもできます。
 
紙媒体の官報は、官報販売所というところで購入することができますが、各都道府県に1ヶ所しか販売所がないため、簡単に手に入れることはできないでしょう。

官報って誰が閲覧するの?

一般の方で官報を見たことがある方は少ないのではないでしょうか。そもそも、官報の存在すら知らないのが一般的でしょう。
 
官報を確認する可能性があるのは、事前に返済能力があるかどうかを確認する必要がある職業の方がほとんどです。
 
たとえば、以下のような職業の方になります。

●金融機関
●信用情報機関
●警備会社・保険会社
●不動産関係の会社
●役所の税金関係の担当者

もちろん、官報は一般の方でも見ることができますし、なかには法律や政治に関わる職業の方であれば、事前に確認することがあるかもしれません。
 
しかし、定期的に官報を確認する業者はごく少数ですし、個人の方で定期的に官報を確認するような人はほとんどいないでしょう。
 
また、もしも仕事上たまたま知人の自己破産の情報を知ったとしても、その個人情報をむやみやたらに周囲に公言したり、インターネット上で公開したりすることは、名誉毀損や個人情報保護法違反に該当する可能性もあるため、許されることではありません。
 
そのため、業務上破産の情報を知り得たからといって、そこから破産したことがバレることは考えづらいでしょう。
 
なお、官報には国家試験合格者も掲載されるため、タイミングによっては官報を見たことがあるという方もいるかもしれませんが、あくまでも試験の合格者欄の確認をするためだけに官報を購入する人がほとんどなので、官報に掲載されていることによって、自己破産が周囲にバレるというのは考えづらいといえるでしょう。

官報に掲載される破産者の個人情報は何が掲載されるの?

官報に掲載される破産者の情報は何が掲載されるの?官報の破産者名簿に掲載される情報は、具体的にどのような情報なのかを確認していきます。

官報の破産者名簿に掲載される情報
  1. 事件番号…裁判でつけられた識別番号です
  2. 債務者の住所…番地まで記載されます
  3. 債務者の名前…フルネームです
  4. 破産が認められた日の日付
  5. 認められた内容について…判決主文など
  6. 裁判所名

破産者の名前が記載されると聞くと、わかりやすく名前だけリスト化された一覧表のようなものを相続するかもしれません。
 
しかし、実際にはかなり細かく①~⑥までの情報が記載されているため、かなりしっかり見ないと、自分の名前が記載されていることまではわからないでしょう。
 
また、破産者の年間件数は、2019年は73,095件、2020年は78,104件、2021年は80,012件となっており、2021年を例に見ると、月平均6,121件となり、かなりの人数の名前が官報に掲載されていることがわかります。
 
そのため、仮に官報で破産者情報を調べるにしても、破産者の名前が目立つように記載はされているわけではないので、ぱっと見ただけでは自分の名前が記載されていることまではわからないでしょう。
 
とはいえ、名前はフルネームで掲載され、住所も番地まで細かく記載されているので、自分の名前を見つけられてしまった場合、これは自分ではないと言い逃れることは難しいかと思います。
 
官報をチェックするような会社にこれから入社する予定がある方は注意が必要です。

官報にはいつまで名前が掲載されているの?

官報に名前や住所など、破産者の個人情報が掲載されると、その官報から情報は削除されることはなく、半永久的に掲載されつづけることになります。
 
もちろん、破産者の個人情報が掲載された官報が発行されるのはその時限りなので、官報が発売されるたびに毎回自分の個人情報が掲載されるわけではありませんが、一度発行された官報は紙面・データともに半永久的に保存・公開され続けることになるでしょう。
 
発行された紙面の官報の保存期間にとくに決まりはなく、保管している図書館の管理方法によっても異なります。
 
ただし、現状すべての官報のバックナンバーを探すことができるため、基本的には半永久的に、国会図書館のデジタルコレクションに保管されることになるでしょう。
 
官報の発行部数が多くなればなるほど、過去に記載された自分のデータも見つけにくくなることから、ただでさえ見つけづらい破産者の情報はさらに見つけにくくなります。
 
しかし、一度官報に掲載されてしまうと、その後は半永久的に名前が掲載され続けることは、自己破産に付随するデメリットの一つとして頭に入れておく必要があるでしょう。

官報に掲載されるタイミングは2回ある

破産者の情報が官報に掲載されるタイミングは原則2回あります。

管財人がつかない(同時廃止)場合

  1. 破産手続きが開始され、同時に廃止された時
  2. 免責許可決定の時

管財人がつく(管財事件)場合

  1. 破産手続きが開始された時
  2. 破産手続きが廃止され、同時に免責許可決定がなされた時

※ただし、管財人の事件で免責許可決定と破産手続き廃止決定が異時に行われたときは、それぞれの時に行われる

 
掲載される内容は、破産手続き開始と免責決定のタイミングでとくに変わらず、名前や住所などの個人情報は、2回とも掲載されることになります。
 
また、自己破産手続きにおいて、一定の財産があるためにその財産を裁判所が管理して破産手続きを進める必要がある「管財事件」となると、破産手続き開始時および免責許可決定時に加え、破産手続き終了時にも官報に掲載されることになります。
 
なお、官報に掲載されるのは、各決定のおおよそ2週間後くらいになることが多いため、頭に入れておくといいかもしれません。

官報から名前を削除してもらうように依頼することはできるの?

自己破産をすると官報に名前や住所などの個人情報が掲載されることになりますが、一度掲載されてしまった官報をあとから削除してもらうことはできません。
 
これは、破産法という法律の中で、自己破産をした場合には官報に掲載する、と書かれていることを根拠としています。
 
そのため、掲載を拒否することも、あとから削除をしてもらうこともできないので注意しましょう。

(公告等)
第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。

 

官報に自己破産者リストは存在する?

「自己破産者リスト」という一覧表のようなものは官報の中に存在しません。官報の中にも他の媒体の中にも存在しません。

メリットとデメリットから見る自己破産の特性

自己破産をすると、官報に破産者の個人情報が掲載されてしまうというデメリットがあります。
 
官報から周囲にバレてしまうこと可能性はほとんどないとはいえ、官報に名前が載ること自体あまり快く思わない方もいるでしょう。
 
そこで、ここからは自己破産のデメリットを考慮してもなお自己破産をすべきかどうかについて解説していきます。

自己破産のデメリット

官報に名前が掲載されてしまうことも自己破産のデメリットのひとつですが、ほかにも家や土地、車などの財産を処分する必要があったり、信用情報機関に個人情報が登録されてしまい、5年〜10年程度はクレジットカードを作ったり、新たに高額のローンを組むことができなくなるといったデメリットがあります。
 
また、弁護士などの士業や警備員、保健の外交員などのように、自己破産をすると資格を停止されてしまう職業も存在します。
 
このように、自己破産にはさまざまなデメリットがあり、社会生活に影響が出てしまうようなものも存在します。

しかし、これらデメリットはどれも限定的で、後述する自己破産のメリットと比べると、借金問題にお悩みの方であれば、マイナス面を考えてもなお自己破産をすべきであるといえるのです。
 
たしかに、自己破産の場合、大きな財産を手元に置いておくことは難しいですが、家を残したい場合には個人再生という手続きが存在しますし、車の場合には、時価総額が20万円未満であれば、手放すことなく手元に置いておくことが可能です。
 
また、職業の制限はありますが、一般の会社員であれば、職業に関してとくに何も制限されることなく自己破産をすることが可能です。
 
官報に掲載されたとしても、そこから周囲に破産したことがバレる可能性もほとんどないことを考えると、自己破産のデメリットはそこまで神経質に考える必要はないといえるのです。

自己破産のメリット

自己破産をする最大のメリットは、やはり債務の全額免除でしょう。
 
税金や養育費など、一部支払いを免除されることがない債務も存在しますが、ほとんどの借金はすべて返済する必要がなくなるため、それまでの借金地獄から解放されることになるでしょう。
 
とくに、任意整理などの毎月返済をする方法ではもう返済できないくらい、借金の額が高額になってしまった場合には、自己破産をして借金を全額免除してもらうことで、生活の立て直しを図ることができるでしょう。
 
このように、経済的に追い込まれてしまっている人にとって、借金の全額免除を認めてもらう自己破産は、官報に掲載されてしまうことなどのデメリットを考慮してもなお、人生をやり直す大きなチャンスだといえるでしょう。
 
自己破産は複雑な手続きが必要になるため、自己破産をするか迷っているのであれば、まずは自己破産に強い弁護士に相談してみるようにしましょう。

まとめ

●官報がきっかけで自己破産が周囲にバレることは、ほとんどない
●借金に苦しんでいるのであれば、自己破産を検討すべき
自己破産に関する相談は弁護士事務所

 
官報は紙媒体でもネット検索でもどちらでも確認できるうえ、特別な手続きは必要なく誰でも簡単に確認することが可能です。
 
ただし、実際に官報を目にしたことがある方は少なく、ほとんどの方は官報という紙面があることを聞いたことすらないのではないしょうか。
 
官報は、名前をYahooやGoogleで検索しただけでは検索結果が表示されないよう配慮されているため、官報に名前が載ってしまうことにより、周囲に自己破産をしたことがバレてしまう可能性はほとんどありません。
 
自己破産には、さまざまなデメリットがあり、人によっては官報に掲載されてしまうことで、周囲に自己破産がバレてしまうのではないかと心配して何年も自己破産を諦めてしまっている方もいるかと思います。
 
もしそうであれば、官報をきっかけとして自己破産がばれてしまうケースはほぼありませんので、安心して自己破産をして生活を立て直しましょう。
 
何年も借金のことで辛い思いをされてきた方は、ぜひこれを機会に自己破産を検討されてみてはいかがでしょうか。

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この記事の執筆者

債務整理相談ナビ編集部

本記事は債務整理相談ナビを運営する株式会社cielo azul編集部が企画・執筆・編集を行っています。当編集部は、債務整理メディア運営に携わり、約7年間にわたって多くの弁護士や司法書士との対談・インタビュー、記事監修を通し専門家と交流し、専門知識と経験を積んでいます。借金問題に直面している方々に対し、信頼できる情報を提供することが当編集部の使命です。毎日信頼されるお役立ちコンテンツを制作中。

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