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督促状が来たときの対処法は?催告書とは?パターン別督促時の対処法

督促状 対処法

この記事の執筆者督促状 催告書福谷陽子(元弁護士)

借金などの負債の支払いを遅延していると、債権者から「督促状」や「催告書」が届きます。この2つは非常によく似ていますが、違いはあるのでしょうか?
 
督促状や催告書が届いたときには適切な対処をしないと、裁判を起こされたり差押えをされたりする可能性もあるので注意が必要です。また単なる「督促状」ではなく、裁判所からの「支払督促」が届いた場合には、早急に「異議申立」をしないと給料などを差し押さえられる可能性もあります。
 
以下では督促状と催告書の違い、督促状等の書類で支払いを求められたときの対処方法をパターン別に解説していきます。

督促状と催告書の違いとは

借金や通信料金などを滞納していると、通常は債権者から「督促状」や「催告書」が送られてきます。これらの書類にはどちらも「延滞している金額を早期に支払うように」と書かれており、延滞している元本や利息、遅延損害金額などが明示されています。
 
督促状と催告書に違いはあるのでしょうか?

督促状とは

督促状とは、債権者が債務者へ借金などの債務の支払いを要求する書面です。支払いを滞納してから比較的早期の段階で送付されるケースが多く、通常は普通郵便で送られてきます。
 
借金を滞納したら、まずは債権者から電話がかかってきて督促状が送られてくる、と言ったイメージです。

催告書とは

催告書も借金などの債務の支払いを求める書面ですが、督促状よりも後の段階で送付されるケースが多数です。
 
内容的には借金の残額とそれまでに発生した利息や遅延損害金を一括払いするよう求めるものが多く、郵便の種類も「内容証明郵便」が使われます。また「このまま支払いをしない場合、訴訟を起こして差押えをします」と書かれているケースも多数です。
 
このように、催告書は督促状が届く段階よりも債務者が悪質で滞納状態が長期に及んでいるケースで送られてくるものです。催告書が届いたら、近い将来に保証会社が代位弁済をして債権者が変更されたり、債権者が訴訟を起こしてきたりする可能性も高くなります。

督促状と催告書の違い

督促状と催告書には以下のような4つの違いがあります。

1.督促状は早い段階で送られる

督促状は、支払いを延滞してから比較的早期の段階で送られてきます。延滞後1週間程度で届くケースもあります。
 
一方催告書は、支払いを長期延滞した人にだけ届きます。2~3か月以上延滞して「期限の利益」を喪失し、分割払いが認められなくなったときに内容証明郵便で催告書が送られてくるケースが多数です。

2.督促状は普通郵便、催告書は内容証明郵便

督促状と催告書は、利用される郵便の種類も異なります。
 
督促状では普通郵便が利用されますが、催告書では内容証明郵便が使われます。内容証明郵便とは、1枚の紙に書ける文字数が限定されており、郵便局による確定日付の入っている特殊な郵便です。郵便局と差出人の手元に控えが残り、後に郵便局が文書の内容を証明してくれます。(電子内容証明郵便の場合、一枚の紙に書ける文字数や行数の制限はありません)
 
内容証明郵便はポスト投函せず名宛て人に手渡しされるので、債権者から手渡しの変わった書式の郵便が届いたら、それは催告書である可能性が高いといえます。

3.催告書は緊急性が高い

督促状を放置してもすぐに裁判になることはありませんが、催告書を放置すると法的手段をとられる可能性が高くなります。訴訟を起こされて判決が出たら給料や預貯金を差し押さえられてしまうので、そのようなことになる前に債務整理など適切な対応を行う必要があります。

4.催告書は請求金額が高額

督促状と催告書は請求金額もまったく違います。督促状の場合に請求されるのは1、2か月分の延滞金額と利息、遅延損害金のみであり少額です。
 
一方催告書は、そのときの借金の残金全額と遅延損害金、利息の合計額を一括請求する内容となり、請求金額が非常に高額になります。
 
このように催告書によって借金残金の一括請求をされるのは、長期滞納によって「期限の利益」を失うからです。
 
期限の利益とは、債務を分割払いできることです。真面目に払っていたら期限の利益が認められて分割払いを許されますが、遅延が2~3か月になると期限の利益を喪失して一括払いしなければなりません。
催告書が送られてくる頃には期限の利益を失っているので残金の一括払いを求められます。

 
督促状の段階で対応しておけば払える方でも、催告書が来るまで放置してしまったら支払いが困難になるでしょう。

督促状、催告書の文例

督促状

実際、督促状にはどのようなことが書かれているのでしょうか?文例をご紹介します。
 

2019年○○月○○日
 
○○○○殿
契約番号 〇〇〇〇―〇〇〇〇―〇〇〇〇
〒○○○-○○○○
東京都新宿区○○ ○○ビル階
株式会社○○○○
担当:○○○
督促状

拝啓
平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。
さて、貴殿の当社におけるキャッシングご利用にかかるご返済につき、2019年5月以降のお支払いを確認できない状態が続いております。先般お電話にてもご連絡させて頂きましたが通じませんので書面にてご連絡を致しました。
つきましては早急にお支払い状況を御確認いただきました上、もしお支払いがまだであれば遅延している元本及び利息〇〇〇円、遅延損害金の合計〇万〇〇〇〇円を、以下に記載する当社指定口座宛入金する方法にてお支払いいただきますようお願いいたします。
なお本状と行き違いによってお支払いいただいておりました場合、何とぞご容赦いただけますと幸いです。

敬具

お支払い内容
2019年4月~6月利用分  計〇万〇円
利息              〇〇〇円
遅延損害金           〇〇〇〇円
合計お支払額        合計〇万〇〇〇〇円

 
入金先口座
金融機関名 ○○○○銀行
支店名 ○○支店
預金種別 普通預金
口座番号 ○○○○○○○○
口座名義 カ)○○○○
 

以上

催告書の文例

次に、催告書の書式もご紹介します。
 

2019年〇○月〇○日
 
〒〇〇〇―〇〇〇〇
埼玉県〇〇市〇番〇号
○○○○様

〒東京都新宿区〇〇 〇〇ビル〇階
株式会社 〇○○○  
代表者代表取締役 ○○○○ ○印

催告書

 
前略 かねてからご連絡差し上げております貴殿の当社におけるキャッシングご利用分の未払いにつきまして、現在に至ってもお支払いを頂けない状況が続いております。
既に滞納額が〇万円となり3か月分以上の延滞が続いておりますので、貴殿は期限の利益を喪失しております。そこで本書をもちまして、当社は貴殿に対し現在の残高〇〇万〇〇円及び利息〇〇〇〇円、遅延損害金〇〇〇〇円の合計〇〇万〇〇〇〇円のお支払いを一括にてご請求します。
 
つきましては、2019年○○月○○日までに上記金額を以下に記載する当社指定口座宛ご入金ください。万一上記期日までにお支払いをいただけない場合、民事訴訟や強制執行等の法的措置をとらざるをえませんので、お含みください。
なお、本状と行き違いでお支払いをされていた場合、悪しからずご容赦くださいませ。
草々
 
入金先
金融機関名 ○○○○銀行
支店名 ○○支店
預金種別 普通預金
口座番号 ○○○○○○○○
口座名義 カ)○○○○

 
督促状も催告書も、上記の通りというわけではありませんが、だいたい上記のような内容が記載されています。

督促状が届いた後の流れ

督促状が届いたら、その後何が起こるのでしょうか?流れを確認していきましょう。

1.滞納後数週間で督促状が届く

借金を滞納すると、まずは債権者から電話によって督促されます。電話できちんと対応しなかった場合、業者にもよりますが早くて1週間くらい、遅くとも1か月の間には督促状が届きます。

2.何度か督促状や電話で支払いを求められる

督促状が来た後も延滞した金額を支払わなければ、その後何度も電話がかかってきたり督促状が送られてきたりして、支払いを求められます。

3.催告書が届く

支払いを延滞したまま2~3か月が経過すると、内容証明郵便で催告書が届きます。このときには「期限の利益」が失われているので、借金の残金と利息、遅延損害金の一括払いを求められます。

4.場合により、代位弁済が行われる

銀行カードローンなどの場合には、催告書が届いた後速やかに「代位弁済」が行われます。代位弁済とは、保証会社が銀行に借金の支払いをすることです。代位弁済後は保証会社が新たな債権者となります。

5.場合により、債権譲渡が行われる

催告書が送られてきた後、元の債権者が債権回収会社に債権譲渡するケースもあります。すると債権回収会社が新たな債権者となります。

6.訴訟を起こされる

催告書が送られてきても放置していると、債権者(保証会社や債権回収会社の場合もある)が訴訟を起こしてきます。
 
すると裁判所から「特別送達」という郵便で「訴状」が送られてきて、放っておくと裁判所で支払い命令の判決が出ます。そこでは借金残金と利息と遅延損害金の一括払いを命令されます。

7.強制執行される

判決が出ても支払いをしなければ、債権者が債務者の財産を差し押さえて強制執行します。
 
具体的には預貯金口座を押さえたり、給料を取り立てたりします。給料を差し押さえられると、全額ではなく手取り額の4分の1が取り立て対象になり、4分の3は手元に入ってくるので自分の生活費のために使えます。ただし手取り額が33万円を超える場合には、33万円を超える部分を全額取り立てられます。
 
最終段階で給料や預貯金の差押えをされるようになったら、生活を維持するのも大変な状況になります。その前に債務整理などの方法で解決しましょう。

督促状が裁判所から届いた場合は要注意

ここまでは、一般の債権者から直接督促状や催告書が送られてきた場合の説明をしてきましたが、督促状が「裁判所」から送られてくるケースがあります。裁判所から「特別送達」という郵便で「支払督促申立書」という書類が送られてくるパターンです。この書類は上記で説明した「督促状」「催告書」とはまったく異なります。

支払督促申立書が届いたときの対処方法

支払督促申立書とは、債権者が「支払督促」という1種の裁判を申し立てたときに相手方へ送られる書類です。支払督促とは「相手が異議を述べなかった場合、相手の財産を強制執行できる手続き」です。
 
支払督促では訴訟のように「証拠による証明」は不要で、相手が異議を出さない限り申立人に強制執行の権利が認められて差押えが可能となります。
 
貸金業者から支払督促を申し立てられたときに放っておくと、すぐに給料や預貯金などを差し押さえられる可能性が高くなります。
 
差押えを阻止するには、支払督促申立書を受け取ってから2週間以内に裁判所へ「異議申立書」を提出しなければなりません。2週間というのは裁判所が受け付けるまでの期間なので、2週間後に発送したのでは間に合いません。必ず持参するか郵送なら速達で2週間以内に「必着」で送りましょう。

異議申立書の書き方

異議申立書の書き方は、ごく簡単です。
 
タイトルに「異議申立書」と書き、作成日付を書いて住所と連絡先を書き、署名押印をします。事件番号と事件名、「〇〇裁判所 御中」と書いて、あとは「本件支払督促に対し異議を申し立てます」とさえ書いて提出したら、異議を出したことになります。異議申立ての詳しい理由は不要です。
 
なお、支払督促に異議を出すと通常裁判に移行するので、後日裁判所から第1回期日の呼出状が届きます。つまり強制執行は回避できても裁判を回避することはできないので、自分一人で解決できない場合には弁護士を頼りましょう。

督促状と時効の関係

督促状や催告書には時効とも深い関係があります。
 
借金を長期にわたって返済していなければ、借金支払い義務は「時効」によって消滅します。
 
ただし、督促状や催告書には、時効を暫定的に「中断」させる効果があります。督促状や催告書を送ると、その時点から6か月間時効期間が延長されます。その間に訴訟を起こせば確定的に時効を中断させることができる制度になっています(民法153条)。
 
一般には「内容証明郵便で催告書を送ったら時効を止めることができる」と理解されていることが多いのですが、時効を止める効力については普通郵便の督促状も内容証明郵便の催告書も同じです。
ただ普通郵便には証拠が残らないので、相手が「受け取っていない」と言ったら時効中断の効果を主張できなくなります。そこで一般的には時効を止めたいときには内容証明郵便を利用しています。

 
以上より、督促状や催告書を受け取ったら、時効成立の直前であっても時効期間が6か月延長され、その間に債権者から訴訟を起こされる可能性が高いと考えられます。借金を長期にわたって放置しているケースにおいて、いきなり内容証明郵便で催告書が送られてきたら、裁判される前に債務整理などで解決するのが賢明です。

税金の督促状は時効を「中断」させる

一般の債権者による督促状や催告書には「6か月間」暫定的に時効を延長する効果しかありません。その間に訴訟を起こさないと時効が成立し、支払い義務はなくなります。
 
しかし、税金の督促状にはより強い効力が認められるので注意が必要です。税金の督促状には確定的に時効を中断できる効力があります。訴訟を起こす必要はありません。5年で時効にかかる税金の場合、督促状が届いただけでさらに5年時効が延長されます。
 
税金を滞納していると督促状の送付が繰り返されるので、税金を時効消滅させるのはほとんど不可能です。また、税金は債務整理でも免除・減額してもらえないので、滞納しているなら何とか支払う方法を検討しなければなりません。

督促状が来たらどうすれば良いのか?

以下では、さまざまな督促状・催告書が届いたときの対処方法をパターン別に解説していきます。

普通郵便で債権者から督促状が届いた

借金を滞納して日が浅い段階で、普通郵便でクレジットカードや消費者金融などの債権者から督促状が届いたら、すぐに債権者に電話をして、支払いについての話し合いをしましょう。
 
督促状の段階であれば、滞納額もさほど多額にはなっていませんし、遅延損害金もほとんどついていません。滞納した分を支払えばまた元のように分割払いで返済していくことが可能です。
 
話し合いをするときには、「いつまでにいくら支払えるのか」、日付と金額を指定して具体的な支払い計画を提示しましょう。督促状を放置すると状況が悪化するので、必ず連絡を入れて話をすることが重要です。

内容証明郵便で債権者から催告書が届いた

内容証明郵便で催告書が届いた場合、残金や利息、遅延損害金の一括払いを求められるので、要求通りの金額を払うのは困難でしょう。しかし放置しておくと訴訟をされるので、まずは相手先に連絡をして分割払いさせてもらえないか相談すべきです。
 
話し合いで解決できない場合には任意整理を検討しましょう。任意整理とは、話し合いによって将来利息を全額カットして借金の返済額を元本限りにしてもらい、3~5年にわたって分割払いをさせてもらう方法です。
 
自分で相手に任意整理で解決したい旨伝えて話し合いをすることもできますが、素人が交渉すると不利な条件を押しつけられるケースも少なくありません。できれば弁護士や司法書士に相談をして対応してもらいましょう。

裁判所から特別送達で支払督促申立書が送られてきた

債権者が支払督促を申し立てて裁判所から支払督促申立書が送られてきたら、早急に「異議申立書」を作成して裁判所に提出しましょう。遅れると強制執行される可能性があります。
 
異議申立書の作成方法や提出方法に自信がなければ、弁護士や司法書士に相談に行ってアドバイスをもらうか、代理で対応してもらいましょう。
 
また支払ができないなら、異議申立てと同時に任意整理などの債務整理を進める必要があります。

税金の督促状が届いた

税金の督促状が届いた場合、放っておくと資産や給料などの差押えを受ける可能性があります。早急に所轄庁に連絡を入れて、支払いについての相談をしましょう。
 
住民税などの場合、分割払いを認めてもらえるケースも珍しくありません。
 
税金や健康保険料、年金保険料などは債務整理でも解決できないので、所轄庁と話し合いをして何とか支払いをする必要があります。
 
なお、法人にかかる税金の場合、法人が破産すれば税金を支払わなくて良くなります。法人は破産すると法人自身が消滅し、すべての債務がなくなるからです。個人は破産しても死亡しないので、生きている限り税金の支払義務が残ります。

督促状、催告書が届いたらすぐに専門家に相談を

借金を支払えなくなって督促状や催告書が届いたとき、自己判断で対応すると不適切な対応によって大きな不利益を受けるおそれがあります。
 
一括請求や訴訟をされた段階でも、債務整理をすれば借金問題を解決できます。弁護士や司法書士に依頼すると、その後は督促状も催告書も届かなくなって安心して生活できますし、後は専門家に任せていたら借金を減額あるいは免除してもらえます。
 
借金問題は専門家に依頼したら意外とすんなり解決できます。困っている方は、勇気を出して一歩踏み出し、弁護士事務所や司法書士事務所に電話かメールで問い合わせてみてください。
 

この記事の執筆者督促状 対処法法律専門ライター 福谷陽子(元弁護士)
京都大学法学部を卒業後、10年程度の弁護士としての実務経験を活かし、現在は法律専門ライターとして活動している。弁護士時代には、任意整理・過払い金請求や自己破産などを含め数多くの債務整理案件をこなし、解決してきた。多くの借金に困る方と接してきたため「借金で困る人を0にしたい」という強い思いを抱くに至り、現在も「債務整理に関する正しい知識を世の中に広めたい」という意識を持って精力的に借金関係の記事執筆に取り組んでいる。

 

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