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時効の援用に失敗する3つのパターン例と成功率を上げる方法

時効の援用が失敗する3つのパターン

最終更新日 2023/2/15
執筆者:福谷陽子(元弁護士)

 

この記事の執筆者

福谷陽子(元弁護士)

福谷陽子(元弁護士)
京都大学法学部卒。在学中に司法試験に合格、2004年弁護士登録。その後、弁護士として勤務し、2007年、陽花法律事務所を設立。女性の視点から丁寧で柔軟なきめ細かい対応を得意とし、離婚・交通事故・遺産相続・借金問題など様々な案件を経験。現在は10年間の弁護士の経験を活かしライターとして活動。

時効援用に失敗する3つのパターン

時効の援用が失敗する3つのパターン例ここで時効援用に失敗するパターンをご紹介します。このようなことのないよう注意してください。

時効が成立していないのに時効援用してしまう 時効援用が認められない

よくあるのは「時効が成立していないのに、時効援用通知書を送ってしまう」パターンです。
 
時効に必要な期間が経過していないのに、「だいたい5年くらい経っただろう」という感覚で援用してしまうケースや、知らない間に裁判をされて時効が中断していたのに気づかずに時効援用してしまうケースなどがあります。
 
時効が成立していない状態で時効援用をしても無効ですから失敗します。
 
このケースは、まさに時効の援用のデメリットなのですが、時効が成立しているかの判断が難しいことに起因しています。時効援用のデメリットや時効援用が認められないケースについては、こちらの記事をどうぞ。

時効援用通知書によって居場所を知らせてしまい裁判を起こされる

時効が成立していないのに時効援用通知書を送ると、今の住所や連絡先の電話番号を知らせることになってしまいます。
 
すると債権者はその連絡先に激しく督促を書けてきたり裁判を起こしたり差押えを実行したりするでしょう。
 
借金を抱えている方は、住民票も異動しないで債権者に見つからないようにひっそりと生活していることが多いものですが、時効援用通知書によって居場所や連絡先を知られてしまったら、生活の平穏を害されます。
 
家族に借金を秘密にしているケースでも借金トラブルを知られるでしょう。

時効援用を「債務承認」とされてしまう

さらに悪いのは、時効援用通知を「債務承認」とされる可能性があることです。時効援用通知書には「私の貴社に対する負債」などと書くので「債務を認めた」こととされてしまうのです。
 
債務承認すると、そのときから時効期間が5年ないし10年延長されます。せっかく時効が成立しそうになっていても、早まって時効援用通知書を送ってしまったために債務承認とされて時効成立が大きく遠のいてしまいます。

 

時効の援用の成功率をあげるためには?時効が成立したかどうか確認する3つの方法!

時効援用するなら、必ず事前に時効が成立したかどうかを確認すべきです。時効が成立したかどうかは、以下のような方法で確認できます。

債権者からの通知書で確認

過去に債権者から通知書が届いており、それが手元にある場合には中身を見返してみましょう。
 
最終返済日が書いてある場合もありますし、それに近い日にちが書かれていてある程度推測できるケースもあります。

信用情報機関へ開示請求して確認

債権者からの通知などがない場合には、信用情報機関へ個人信用情報の開示請求を行いましょう。
 
個人信用情報には、各借入先の名称と借入金額や返済した日にち、延滞日などの情報が書かれています。情報を分析することで、最終返済日やそれに近い日にちを推定することが可能です。

完璧に調べるのは困難

上記のようにして期間を調べても、途中で裁判されていたら時効が中断してしまいます。
 
そこで完璧に時効援用の準備をするには「途中で裁判を起こされていないか」を調べる必要があります。
 
しかしこの5年、10年の間にどこかの裁判所で債権者から裁判を起こされたかどうか調べるのは簡単ではありません。債権者名や裁判所、裁判を起こされただいたいの時期が分かれば照会できる可能性もありますが、そういった情報がなかったら調べきるのは難しくなるでしょう。
 
債権者をしぼって東京地方裁判所や東京簡易裁判所に照会してみるのも1つですが、素人では対処が難しいので、裁判所に照会するなら弁護士に相談するのが良いでしょう。
 
この時効援用ができるかどうかの判断が難しいことが、時効援用のデメリットの一つです。詳しくは、下の記事を参考にしてください。

 

時効の援用に失敗した場合の連絡はどこに来る?

上記の時効の援用の失敗の3つのパターン例を避け、成功率を高めて行った場合でも、債権者から消滅時効は完了していない旨の連絡がくることがあります。もちろん、そのような場合でも、直接本人(債務者)に連絡がくることはありません。
 
必ず、債権者から代理人(弁護士・司法書士)宛に連絡は来ますので、安心してください。その後、どのような対応策をとるのか代理人と相談して行くことになります。

時効援用をするなら専門家に相談を!時効援用でおすすめは?

時効援用をするとき、一人で対応すると時効が成立していないのに早まって通知書を送ってトラブルになる可能性がありますし、自分の連絡先を書かざるを得ないので、債権者に今の居場所を知られてしまいます。
 
これに対し弁護士に依頼すると、弁護士名で内容証明郵便を送ることができるので、債務者の現在の連絡先を書く必要がありません。
 
弁護士が適切に対応するのでトラブルになりにくいですし、万一問題が起こった場合にも弁護士が対応してくれます。
 
時効援用をするなら、少し費用をかけてでも弁護士などの専門家に相談しましょう。
 
行政書士には代理権がなく司法書士も代理権の内容が限定されているので、費用は高くても弁護士が一番お勧めです。費用については、こちらの記事から。

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この記事の編集者

債務整理相談ナビ編集部

本記事は債務整理相談ナビを運営する株式会社cielo azul編集部が企画・編集を行いました。

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